皮膚は臓器。
皮膚は電気システム。
皮膚は脳。
著者は医者ではなく民間企業の研究員です。「皮膚は考える」は概論。「"第三の脳――皮膚から考える命、こころ、世界」はさらに図解で詳しく書かれ、著者の私的な考察もついています。著者の研究は、何か具体的な病気の治療に役に立つとか、目の前の何かをどうにかしたいというものではありませんが、人間って、生き物って面白いなあと思えます。
最先端の研究なので、目次だけ見るとトンデモ系かと誤解されるかもしれませんが、著者はそうならないよう注意深く言葉を選んで誠実に書いています。内容が非常に面白く、文章の手触りも繊細で心地いい本です。
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お風呂から出て私は暑いと思っている、扇風機の前に立って冷風を浴びると1秒後にくしゃみが出る。わたしはまだ暑いので体を冷やしたい。でも体は「ダメダメ」とくしゃみを連発させる。花粉の季節には体の中で嵐が起こる。頭はぼうっとして判断力が鈍る。自分の体の免疫システムに自分自身を乗っ取られる感覚。
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わたしは子どものころ、慢性扁桃腺炎でお医者さんから患部を切除するしかないと言われ、手術の日取りも決まっていた。その前日、母がノドの腫れに効くお灸をしてくれるおばあさんがいるという話を聞いて、わたしをおばあさんの家に連れて行ってくれた。おばあさんは鍼灸医ではなくて無料のボランティアだった。両ヒジのくぼみに小さなモグサを乗せて火を点け、アチッと思った一瞬に終わった。家に帰って熱を計るとすっかり下っていた。
翌日、手術前の診察でわたしのノドを見た先生が「あれ?すっかり腫れが引いてる。切らなくていいかもしれないよ」と言った。ほんとですか!手術が怖かったわたしはうれしくて余計な事を言った「やっぱりお灸が効いたんだ」その言葉を聞いた先生は「またあのバアサンか!」と険しい顔になって、手術は決行された。後で看護婦さんに「あーあ、先生はああいうの信じないからね」と同情された。
何ヶ月も薬を飲み続けて改善されなかった症状に、お灸が劇的に効いた。その効果には医者も驚いた(認めなかったが)。お灸を据えた場所はノドとは関係ない場所だったのに。熱を加えたのはほんの一瞬だったのに。
ずっと不思議に思っていた事のしくみが明らかにされるのを読むことができるのは楽しい。
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Yahoo!ヘルスケア - ニュース - ストレスで皮膚の抗菌能が弱まる