装幀のなかの絵

装幀のなかの絵 (四月と十月文庫3) [単行本(ソフトカバー)] 有山達也 (著)

鎌倉由比ヶ浜の「港の人(みなとのひと)」という出版社からの本。

本文と各タイトルの文字の大きさが一緒で、不自然に余白が広い感じがする。。。ということは、どうしても、タイトルの下あたりに、小さなカットを落書きのように、描き込みたくなって困った。。。行間からイメージがわいてきてわいてきて。。。

著者が写真に関して久家靖秀さんの仕事から学んだことを読んで、うぐぐとうなった。とっても大事なことが書かれていた。こんな企業秘密を公開していいんだろうか?

がしかし、著者はデジタルカメラの時代になって似たような作品ばかりになると書いているが、実際は様々なプラグインが提供されていて、フィルム写真機の癖や偶然を越えるアレンジが、はっきりと意図的に選択できる。物質(道具や材料)の抵抗に合わず、人間の脳でコントロールできる、ということはいいことのようだが反面、だってカメラがといういいわけは通用せず、すべて自らで責任をとらなくてはならない、そういうきびしい時代になった。が、写真一枚を、撮った本人だけがコントロールできるという特権も危うくなりつつあると思う。写真を編集する技術は誰でも簡単に使えるよう日々進歩し(誰かがあらかじめ作って置いてくれた加工のテンプレートを選択するだけですむし)カメラマンはフィールドから素材を採集するだけの仕事になってしまうかもしれない。

著者がおばあちゃんこなこと、(元クウネル編集長岡崎絹枝さんによると)怒るとむっと黙ってしまうこと、そして写真に○○が写ってないと好きになれないという台詞。うわわ。耳が痛い。