毎日の料理で、これだけの時間と手間をかけられるのは、まあ一種の贅沢かな。長時間ガスの火を使う=台所にしばりつけられる、ということで、落ち着きのないわたしには難しい。けど、料理で、特に野菜は温度が大事なことはたしかですね。温度・火加減で同じ素材でも全く味が違う。料理は科学であり、タイミングのセンスであるとおもう。素材それぞれで適度な温度や時間が違うから、いちいち考えるのは大変。50℃で洗う、75℃で15分蒸すなど、決まった「型」があるとわかりやすく、この調理法が普及しやすいかも。
このスチーム料理を知って、思い出すのは別府鉄輪(かんなわ)地区の街頭スチーム。道ばたに温泉の蒸気が噴き出しているところがあり、近所の人が竹のざるに(竹細工も別府の名産品)野菜や卵やお肉を入れて持ってきて、蒸して帰る。と思っていたら、この著者の一人、平山さんという人は別府の出身なのですね。
ところで、わたしは耐熱セラミック鍋を持っていて重宝しています。特にイモ類。これでじっくり焼くと安納芋はものすごく甘くなる。わたしはイモ類が嫌いだったんですが、この遠赤外線でじっくり焼くという調理法を知ってからは、イモ類のおいしさがわかるようになりました。ジャガイモ類もあらかじめこの鍋で火を通してから、カレーや肉じゃがに投入。おいしいと評判のカレーやコロッケを食べてみて、あっこのジャガイモは遠赤外線で別に調理したんだな、とピンと来る。最近はコンビニのお弁当の付け合わせのジャガイモが、破格においしくてううむとうなったことが。低温の赤外線でじっくり調理というのが、各家庭でいちいちやるのが大変でも、大規模な工場ならまとめて効率よくできるだろうな。すでにやってるのか。