1491―先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見

1491―先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見 単行本 - 2007/7 チャールズ・C. マン  (著), Charles C. Mann (原著), 布施 由紀子 (翻訳)

コロンブスが発見する以前のアメリカ大陸について、近年新しい発見が続いているときいて。昔教科書で習ったことに新事実が加わる、または訂正されることがあるのね。特に「生物」は飛躍的に変わった。高校時代、受験科目としての生物学には全く興味がなかった。今なら一から教科書を読んで学びたい気がする(ただし血が出る実験はいや、顕微鏡をのぞいてチマチマ数えるのもいやだな。。。^^;;)

第10章 人口の"原生自然" 「4羽に1羽」
アメリカ大陸先住民(インディオ)は遺伝的に病原菌に対する免疫が足りなかった。ヨーロッパ世界との接触によって、天然痘をはじめとする伝染病でかなり人数が減ってしまった。先住民は元々農業の天敵である動物を駆除するなどして人為的に自然環境のバランスを保っていたが、その担い手がいなくなってしまったので、一時的に特定の生物が爆発的に繁殖した。例:バイソン、リョコウバト。

新世界発見当時リョコウバトは「すべての鳥の4羽に1羽がリョコウバトだった」というほど繁殖していたが、乱獲により絶滅したとされる。ところが、古い遺跡を調べるとリョコウバトの骨は出土しなかった。繁殖していた時期より以前では、希少種だったことがわかった。リョコウバトの繁殖は自然のバランスが崩れて特定種が爆発的に繁殖した現象だった。

元々属する生態系では普通や希少種だったものが、異なる生態系に移入されて、または元の生態系に大きな変化が起こって、天敵がいなくなり爆発的に繁殖する現象を(生体的解放)というらしい。