恋するオスが進化する

恋するオスが進化する (メディアファクトリー新書) <br />
宮竹 貴久  (著)

著者は沖縄で「不妊虫放飼法」という作戦で、農作物の害虫ウリミバエを根絶させる仕事に携わっていた人(1993年にミッションは完遂)。

生物の(この本では昆虫の例)オスもメスも自分の遺伝子を残すために、特にオスはいろいろと姑息な手段を使っている、時には遺伝子を残すために協力関係にあるべきメスを敵に回してまでも、その例が次々紹介される。

しかしこのオスvsメスの戦いというか、出し抜いたり出し抜かれたりというか、虫の世界はすげえな、とも思えるし、面白いなとも思えるし、虫の世界も世知辛いのう、とも。

「哲学のなぐさめ」に書かれていた、哲学者ショーペンハウエルの言葉「よりよい遺伝子を残すことと、よりよい生活を送ることは(パートナーと楽しく暮らす)、相反する(場合が多い)」生物のほんの一部であるヒトを観察することによって、生物一般に共通するこの問題を喝破していたショーペンハウエル先生はすごいなあと、今改めて思う。

各章ごとに、その章のポイントが箇条書きである。読んだはしから忘れていく私には、読後直後の強制的なおさらいは、なかなか助かった。(受験勉強か?)