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「Section08-01 クラス定義の構造」の「クラスメンバーを定義する」(p.245)にサンプルを追加します。このサンプルのポイントは、コンストラクタにおいてクラスプロパティfriendListにインスタンスの参照であるthisを登録することで、作ったインスタンスを管理しているところです。

[:script:]Friend4クラスの定義
package {
  public class Friend4 {
    //クラスプロパティ
    public static var seqNo:uint;
    public static var friendList:Array=new Array();
    //インスタンスプロパティ
    public var no:uint;
    public var name:String;
    public var age:uint;
    //コンストラクタ
    public function Friend4(na:String,ag:uint) {
      no= ++seqNo;
      name=na;
      age=ag;
      //インスタンスのリストに参照を保管する
      friendList.push(this);
    }
    //
    // クラスメソッド
    //
    //平均年齢を求める
    public static function getAgeAverage():Number {
      if (friendList.length==0) {
        return 0;
      } else {
        var ageSum:uint;
        //年齢の合計を出す
        for (var i:int=0; i<friendList.length; i++) {
          var friend:Friend4=friendList[i];
          ageSum+=friend.age;
        }
        //平均を計算する
        var ave:Number=ageSum/friendList.length;
        //小数点2位で四捨五入する
        ave=Math.round(ave*10)/10;
        return ave;
      }
    }
    //最年長を求める
    public static function getOldestProfile():String {
      if (friendList.length==0) {
        return null;
      } else {
        //friendListの複製
        var tmpList:Array=friendList.slice();
        //年齢でソートする
        tmpList.sortOn("age",Array.NUMERIC);
        //最後の人を取り出す
        var oldest:Friend4=tmpList[tmpList.length-1];
        //プロフィールを返す(インスタンスメソッドの実行)
        return oldest.getProfile();
      }
    }
    //
    // インスタンスメソッド
    //
    //プロフィールを返す
    public function getProfile():String {
      var info:String="no."+no+" "+name+"、"+age+"歳です。";
      return info;
    }
  }
}
ファイル一式をダウンロードする
 シンボルにもカスタムクラスを関連付けることができます。この手法は先に出版したAS3入門ノートでは解説していましたが、今回の完全改訂版では割愛した内容です。その内容をここで補足したいと思います。

 シンボルからインスタンスを作る方法は「Section07-01 表示オブジェクトの追加」に説明してあるので、ここが補足箇所の候補になりますが(p.211)、この時点ではクラス定義や継承について学んでいません。
 シンボルとカスタムクラスを関連付ける方法はドキュメントクラスと同じ考え方なので、「Section08-06 ドキュメントクラス」の最後のp.486が適当でしょう。ここに以下の原稿を追加します。

シンボルが継承するクラス 追加原稿 p.486
 ドキュメントクラスと同じようにシンボルにもカスタムクラスを関連付けることができます。シンボルにカスタムクラスを関連付けるには、シンボルのプロパティパネルでリンケージ書き出しの設定を行い、クラスフィールドにカスタムクラスを指定します。

fig 08-06-04.jpg
シンボルのリンケージ書き出し設定で関連付けるクラスを指定します

 たとえば、次のFlowerAクラスをシンボルに関連付けると、このシンボルから作ったインスタンスをステージに追加するだけで回転するようになります。このとき、ムービークリップシンボルに関連付けるカスタムクラスは、必ずMovieClipクラスを継承しなければなりません。
 インスタンスはnew FlowerA()で作ることができますが、普通にライブラリからステージにドロップして作ってもかまいません。

[:script:]シンボルに関連付けるFlowerAクラス
package {
	import flash.display.MovieClip;
	import flash.events.Event;

	public class FlowerA extends MovieClip {
		public function FlowerA() {
			addEventListener(Event.ENTER_FRAME, enterFrameHandler );
		}
		protected function enterFrameHandler(eventObj:Event):void {
			rotation += 3;
		}
	}
}

fig 08-06-05.jpg
インスタンスを作ってステージに追加するだけで回転します。→swfを試す
ファイルをダウンロードするextendSymbol.zip

(section08-03 クラス継承の補足)

 ※複数のクラスを継承する方法について補足します。p.260のextendsの補足説明になります。

複数のクラスを継承する
 MovieClipクラスはSpriteクラスやDisplayObjectクラスなどの複数のクラスを継承していますが、このように複数のクラスを継承したい場合はどうすればよいのでしょうか。結論から言えば1つのサブクラスは1つのスーパークラスしか指定できません。たとえば、MyClassAとMyClassBの両方を継承したMyClassCを作りたいとき、次のようにスクリプトを書くことはできません。

間違ったスクリプト1
class MyClassC extends MyClassA, MyClassB; 
間違ったスクリプト2
class MyClassC extends MyClassB extends MyClassA; 

 MyClassAとMyClassBの両方を継承したMyClassCを作りたいならば、まず、MyClassAを継承したMyClassBを作り、次にMyClassBを継承したMyClassCを作るという方法をとります。たとえば、次のMyClassCではスーパークラスであるMyClassBのtestB()だけでなく、そのMyClassBのスーパークラスのMyClassAのtestA()も利用できます。
 このように親がさらにその親を継承していくという手法によって結果としてサブクラスが複数のクラスを継承できます。

[:script:]MyClassAクラス
package {
	public class MyClassA {
		public function testA() {
			trace("test A");
		}
	}
}

[:script:]MyClassAクラスを継承しているMyClassBクラス
package {
	public class MyClassB extends MyClassA {
		public function testB() {
			trace("test B");
		}
	}
}

[:script:]MyClassBクラスを継承しているMyClassCクラス
package {
	public class MyClassC extends MyClassB {
		public function testC() {
			testA();//MyClassAから継承しているメソッド
			testB();//MyClassBから継承しているメソッド
		}
	}
}

 なお、インスタンスが特定のクラスを継承しているかどうかはis演算子を使って判断できます。

[:script:]指定のクラスを継承しているかどうか調べる
var mc:MovieClip=new MovieClip();
trace(mc is DisplayObject);//出力:true
trace(mc is EventDispatcher);//出力:true
trace(mc is Number);//出力:false
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