今年の春に亡くなった浜口哲一さんの業績を偲ぶシンポジウムを見に行ってきました。このシンポジウムは、野鳥の会神奈川の主催。浜口さんが遺されたものがあまりに大きいので、その恩恵を受けた者たちは一堂に会し、今度も守っていこうという申し合わせの会。
私は研究者でも浜口さんの関係者でもありませんが、野鳥の会の会報で知り、非常に尊敬していた人の足跡をしっかり記憶に留めたいという思いで出かけました。(野鳥の会に入って21年だけど会合に出席するのは初めて!!探鳥会にも1回しか行ったことない。そのときのリーダーは浜口さん 相模湾船上探鳥会 )
会場はランドマークタワーの向かい、横浜銀行本店1Fにある瀟洒なコンサートホール。500席ほどが満席でした。
さて、そのシンポジウムの内容は
トコロジストを育てよう
ということでした。
トコロジストとは?=ある場所(フィールド・地域)の専門家。地形・動植物、民族歴史、土地の所有関係、行政の将来プランなどすべてに渡って熟知している人。そのエリアは狭く、内容は広くカバーするのが望ましい。
一人で無理な場合(がほとんどだとおもうけど)はトコロジスト集団を作り、得意分野を担当する。(例:こまたん)
トコロジストの意義とは?=自然保護で必要とされるのが、管理計画・ゾーニングという作業。学問的な分野を専門にする人が集まると互いに主張が対立することがある。そのとき、場所の専門家「トコロジスト」がコーディネートすることができる。
また、市民自身が地域をよく知ることで、フィールドに対する責任・地域愛が育まれる。
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浜口さんが遺された本や資料を読みました。多くは薄い簡単な製本で、しかし内容は地域に深く根ざした内容です。その中で、特に印象に残ったのは「自然観察会の進め方」という小冊子のなかの「観察会のリーダーの資質で大事なのは、参加者全員に平等に接すること」という言葉でした。
講演の最後に相模原市立博物館の秋山さんが「浜口さんはすべての人に居場所を与えてくれた」とふとおっしゃった。
シンポジウムが終わって、会場を出て、夕暮れの冷たい風を吸い、向かいのランドマークタワーに入ると、今までの会場とは対照的なキラキラした世界。「すべてのものに居場所を、か。。。」ふとつぶやいてしまいました。
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このシンポジウムで見聞きしたこと、配布物を読んで考えたこと、いろいろありすぎて、言葉にならずそのままになっていました。これからあのとき思ったことが、何かのきっかけでふと思い浮かんだとき、すかさずつかまえて記録していこうとおもいます。